最終更新日:2021.10.07
令和2年3月27日に示された国の工程表では「往時の首里城に使用されていたと推定されているオキナワウラジロガシの活用が望ましい」、「使える材があった場合には、可能な限り活用する」とされ、沖縄県において県産材調査を実施いたしました。
首里城正殿の小屋丸太梁に用いるため、直径約47㎝、長さ7mの材が取れるオキナワウラジロガシであり、かつ環境に配慮した伐採が可能なもの。
○国頭村については、歴史的背景や地域からの要望を踏まえ、村有林内、県営林内の林道等から近接する範囲内で、胸高直径40㎝程度以上のオキナワウラジロガシを確認しました。
○石垣市については、地元からの情報提供を受け、市有林内を石垣市内の方の案内で、胸高直径50㎝程度以上のオキナワウラジロガシを確認しました。
○現地調査にあたっては、関係機関とともに行い、環境影響や伐採時の懸念事項等の確認を行いました。
○現地調査の結果、林道等から近接する範囲内で、国頭村内では胸高直径40㎝以上で52本が確認され、石垣市内では胸高直径50㎝以上で19本が確認されました。
○GPSにて樹木の位置を図面上に落とし、両地区とも国立公園内となり、国頭村内では世界自然遺産推薦地以外である第2種・第3種特別地域内、石垣市内では第3種特別地域内の樹木を対象として、詳細調査を行いました。
○詳細調査では、自然環境に配慮して候補を絞った上で環境調査を実施し、確認された希少野生生物への対応や伐採方法等を検討し、関係機関とも調整のうえ、候補木8本を選定しました
○林道等まで伐採した樹木を運び出す方法としては、主に地引集材と架線集材がありますが、単木伐採で、林道等まで距離が短いため、伐採面積が比較的小さい地引集材としています。
○なお、架線集材は、宙づりが可能な高さにワイヤーを張り、周辺の尾根等に柱等を立てるため、資材運搬に必要なルートを伐開する必要があり、候補木の後方まで伐開していく必要が生じることから、単木伐採に適さないものと判断しました。
○候補木の伐採跡地に、後継木となる30㎝程度のオキナワウラジロガシの苗木を植栽します。
○植栽後10年間程度は、適宜、様子を見ながら、年1回程度、施肥下刈と下刈(無施肥)、除伐及び間伐を行います。
○沖縄本島の北部地域では、平成6年度からオキナワウラジロガシの植栽を約3ha行い、約2千本以上の樹木の生育が確認(令和3年4月時点)されており、継続して保育管理を行ってまいります。
○なお、オキナワウラジロガシは琉球王朝時代に、杣山制度等で後世の首里城復元用の御用材等として植栽・管理されており、現在も沢沿い等で多く点在しています。