戦火等により灰燼に帰しながらも、平和と繁栄の象徴として繰り返し復元されてきた首里城の歴史、文化はもとより、これから先、長い年月をかけて取り組んでいく首里城の復興過程を次世代に継承し、その価値を発信していくことは非常に重要である。
そのため、首里城及びその周辺地域の観光資源を活用し、その価値を発信するとともに、子どもたちが観て、学ぶことができるよう下記の取組を進める。
首里地域に点在する石畳道や屋敷石垣、御嶽や井泉をはじめ、地域ごとの特色ある生活文化は国内外から訪れる来訪者にとって魅力的な歴史・文化的遺産であり、地域に根ざした伝統産業を含めた潜在的な魅力を観光価値化し活用していく必要がある。
そのため、国と連携して首里の魅力を体験できる周遊ルートの提案、地域の歴史、文化、生活様式を学び、体験できる観光商品の開発支援に取り組むとともに、観光資源を保全するため地域の文化財の保護、地域行事の継承などの支援に取り組む。
第32軍司令部壕入口付近のトーチカ
悲惨な沖縄戦の実相を正しく後世に伝え、平和を希求する「沖縄のこころ」を広く世界に発信していくことは沖縄県の重要な責務である。
そのため、第32軍司令部壕などの首里城周辺の戦争遺跡を保存、継承するとともに、証言記録、調査資料等とAR等のICTを活用した平和学習ツールの開発・提供など、その歴史的価値の継承及び平和発信に向けた環境整備に取り組む。
※1 AR【Augmented Reality】拡張現実。
コンピューターを使って、現実の風景の中に情報を重ねて表示する技術。
※2 ICT【Information and Communications Technology】情報通信技術。
コンピューターやデータ通信に関する技術の総称。
子どもたち向けの首里城見学会
子どもたちが首里城の復興を通して、多くの人々の思いや努力が結実していく姿を実際に見て、感じるとともに、地域の歴史、文化を学ぶことは、「チムグクル」「イチャリバチョーデー」「ユイマール」といった沖縄らしい個性をもった人材育成につながるだけでなく、伝統文化の保存、継承、地域振興につながっていく重要な取組である。
そのため、那覇市など関係機関と連携し、子どもたちに琉球の歴史、文化を観て、学び、体験できる場を提供するとともに、その活動支援に取り組む。