金城町の石畳道
首里城を中核とする一帯(首里杜地区)は、世界遺産である首里城跡を保護する緩衝地帯(バッファーゾーン)となっている。
今回の首里城復興にあたり、古都首里のまちづくりの方向性を示した「首里杜構想」を社会環境の変化や時代のニーズを踏まえて見直すことにより、首里杜地区が琉球文化を体現できる場となるよう、地域住民や関係機関と連携し、下記の取組を進める。
玉陵
世界遺産である首里城跡、園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)、玉陵(たまうどぅん)を含む地域の魅力を高めるために、首里城公園を含めた首里地域における歴史を体現できる風格ある都市空間(歴史的風致)の維持・向上をめざす。王都としての歴史的な名残や、赤瓦葺きの建物、石垣や道なども再生されつつあり、これら古都・首里ならではの固有性を守り育てながら、千年悠久の歴史まちづくりをめざした景観の形成に取り組む。
首里城公園及び周辺地域については、地域に残された文化資源や、かつてのまちなみを段階的に整備し、点的・面的に奥行きのある公園やまちづくりが重要である。
そのため、県営公園区域にある中城御殿跡や円覚寺跡等の復元を計画的に進めていく。また、御茶屋御殿跡など地域に点在する文化資源については、国や那覇市と連携のうえ段階的な整備に向けた検討を進めるとともに、官民連携のもと地域を周遊及び文化を体感できる拠点やネットワーク(スージグヮー等)の形成を図る。
多くの来訪者が訪れる首里地域において、公園に訪れるレンタカーや観光バス、タクシーに起因した交通渋滞が地域の課題となっている。
こうした都市交通の課題に対し首里城と周辺地域の歴史まちづくりを推進するためにも、回遊性の高い快適な歩行空間を提供し、地域住民と来訪者が共存できる観光交通や公共交通の利便性向上・充実に併せ、地区周辺の駐車場の確保に加え、ICTを活用した交通情報の提供など、ハード・ソフト面からまちの魅力を支える取組を展開する。