1 正殿等の早期復元と復元過程の公開

  1. 1 正殿等の早期復元と復元過程の公開
伝統技術の粋を集めた正殿

伝統技術の粋を集めた正殿

首里城正殿等の復元については、国が国営公園事業として取り組んでおり、沖縄県は、国の技術検討委員会に参画し、国との連携を図っているところである。
県民に親しまれ、多くの来訪者を魅了してきた首里城正殿等の早期復元及び復元過程の公開に向け、国をはじめ関係機関と連携し、下記の取組を進める。

(1)伝統技術を活用した施設整備

前回復元時から瓦葺や漆の塗り替えなど、首里城内の施設修復に県内職人の技術が生かされており、国の技術検討委員会において前回復元時から沖縄県内に蓄積、承継されている伝統技術の活用を図るべきであるとの報告がなされている。
そのため、国や関係機関と連携のうえ、県内に蓄積、継承されている伝統技術を首里城正殿等の復元に資するための取組を進めるとともに、人材の確保、育成に取り組む。

(2)木材、瓦等の調達に向けた取組

首里城正殿等の復元にあたっては、国の技術検討委員会において、木材、漆、赤瓦を中心にその調達方法等について議論されており、「沖縄在来樹種であるチャーギ(イヌマキ)等は調達可能な場合には可能な限り使用することが望ましい」、また「沖縄独特の赤瓦を関係機関と連携し、沖縄本島産の材料を調達するべき」、との報告がなされている。
そのため、国や関係機関と連携し、県産材等の調達ができるよう取り組むとともに、赤瓦については、県内の研究機関において、調査研究(原料調査、配合、焼成など)や、仕様・品質管理の確立など、首里城正殿等の早期復元に資するよう取り組む。

(3)復元過程の公開による観光資源等としての活用

首里城は、県民のアイデンティティーの拠り所であるとともに、観光客を含む多くの人々が訪れる重要な施設である。
そのため、国や関係機関と連携し、首里城正殿の遺構の公開や展示、復興イベントなどの取組を戦略的に行う。また、仮設見学通路の設置などを行い、復元過程の公開を行うことで、文化、教育、観光資源として活用し、県民をはじめ国内外の多くの人々が訪れるように取り組む。