復興基本計画の着実な推進

基本施策の目的

 首里城復元を契機とする首里城復興の目的は、首里城に象徴される多様で重層的な沖縄の歴史・文化の再認識を通して、ふるさとへの誇りや愛着を感じるとともに、文化を基層とした沖縄振興及び文化創造が循環する社会の形成にある。
 これには、沖縄県だけでなく、国、那覇市を始めとする市町村、企業、大学等高等教育・研究機関、文化団体や県民等が、復興基本計画の方向性を共有し、それぞれが自主的に、又は連携して取り組んでいくことで、より高い成果を得ることができる。
 このため、復興基本計画及び各基本施策の展開を共有し、それぞれが継続して首里城復興に参加できる仕組みを基盤として、復興基本計画を着実に推進していく。

目指す姿

  1. 国、県等の行政による首里城復興の取組だけでなく、県民、企業、地域団体など、様々な主体による自主的な取組とともに、相互に協力・連携した復興の取組が活発化し、着実に復興基本計画の目的達成に向けて進んでいる。
  2. 首里城復興の取組が、新たな沖縄振興計画に反映され、国と連携して計画的・具体的な取組が進められている。
  3. 琉球大学を中心とした国内外の学術ネットワーク及び県立芸術大学による首里城復興に関する研究、議論が活発化するとともに、その成果が地域文化の復興やまちづくり活動等と連携し、具体的な取り組みにつながっている。
  4. 木曳式など復元の各段階における重要行催事の機会を中心に、多くの人びとが関われる各種イベント等が充実、拡充、継続的に実施され、首里城正殿等建造物の復元はもとより、琉球の歴史・文化等に関する理解・関心が高まっている。

主な課題

  1. 様々な主体による自主的な取組とともに、相互に協力・連携した復興の取組を支える仕組みづくり
  2. 琉球大学、県立芸術大学をはじめとする県内外の大学等高等教育・研究機関とのネットワークを活用した首里城を切り口とした研究等ネットワークの構築
  3. 復興基本計画を着実に推進して行くための財源の確保。

着実な推進に向けた取組

(1)関係機関との推進体制の構築

  1. 国、那覇市等関係機関との連携等
     復興基本計画を着実に推進していくため、国、県、那覇市等関係機関の役割を明確にした上で、各主体が相互に連携・補完しながら効率的・効果的に取組を進めていくための体制構築を図る。

(2)国内外の学術ネットワークとの連携

  1. 学際的なネットワーク化に向けた支援
     琉球大学は、首里城火災直後からシンポジウムの開催、首里城関連の情 報を発信するポータルサイトや、首里城再興に係る研究・教育に資する「首里城再興学術ネットワーク」を立ち上げ、各種取組を進めているところである。
     そのため、琉球大学をハブとしつつ、県立芸術大学や県内外の大学・研究機関を含めた復興基本計画に係る学際的なネットワーク化に向けた支援に取り組む。

(3)県民等の継続的な参加による復興

  1. 県民等の参加機会の確保
     復興基本計画の推進にあたっては、県民、企業、地域・文化団体など、様々な主体と連携・協働して取り組むことで、広く参加機会を提供していく。
     
  2. 県民等相互連携の仕組みづくり
     県民等をはじめ国内外において企業等民間団体による首里城復興に関する取組が積極的に進められており、その活動が連携し合い、継続した取組になっていけるよう沖縄県公式首里城復興サイトやSNS等ソーシャルメディアを活用した情報発信を行うなど、相互交流できる仕組みづくりに取り組む。

(4)効率的で効果的な復興の推進

  1. 多様な復興財源の確保
     復興基本計画を国と連携し着実に推進していくため、新たな沖縄振興計画に首里城復興に関する取組を位置づける。また、多様な財源の確保も含めその他各種制度を積極的に活用し、効果的な推進に努める。
     なお、現在、首里城復興を願う県民を含め国内外の多くの方々から寄附金が寄せられており、首里城正殿を含む城郭内の建造物等の復元に充てることとしている。今後は、復興基本計画に位置づけられた各種取組を推進するため、新たな寄附金のあり方等を検討していく。
     
  2. 計画の進捗管理
     新たな沖縄振興計画の実施計画で設定する成果指標の達成状況等に基づき検証を行っていく。また、復興基本計画に係る取組、及びその進捗を定期的に確認・共有し、着実な推進を図っていく。

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