基本施策7:歴史の継承と資産としての活用

  1. 基本施策7:歴史の継承と資産としての活用

基本施策の目的

 首里城およびその周辺地域を観て学ぶことができる観光資源として活用していくなど、首里城に象徴される歴史・文化の継承に向けた取り組みを推進していく。

目指す姿

  1. まちなみを含めた首里地域に点在する歴史・文化的遺産、これらを背景とした伝統作業など、地域の潜在的な魅力が資産として認識され、各主体がそれぞれの強みを生かしつつ相互に連携して歴史・文化を体現できる取組が活発に実施されている。
  2. 首里城周辺に存在する戦争遺跡が適切に保存されるとともに、第32軍司令部壕を活用した平和学習環境等が整備され、悲惨な沖縄戦の実相が正しく後世や世界に伝わり、「沖縄」をより深く知ってもらえている。
  3. 首里城の復興を通して、沖縄の歴史・文化を感じることができる取組が活発に実施され、ふるさとへの誇りや愛着が育まれ、文化の継承につながっている。

主な課題

  1. 地域に根ざした伝統産業など、地域の潜在的な魅力の観光資源としての活用
  2. 首里城公園地下にある第32軍司令部壕を活用した沖縄戦の実相の継承・発信
  3. 子どもたちが首里城復興を通した歴史・文化に触れる環境づくりの支援

達成への道筋

  1. 首里地域に点在する文化財や地域に根ざした伝統産業を含む潜在的な魅力を観光資源化するため、関係機関と連携し周遊ルートの設定・開発を支援する。
  2. 首里城周辺に存在する戦争遺跡の保存に努める。また、第32軍司令部壕の保存・公開の可能性等について、専門家による検討委員会において検討を行い、沖縄戦の実相を正しく後世に継承し、情報発信を行っていくための環境整備に取り組む。
  3. 首里城の復元事業を文化財保護の啓発や歴史・文化の学習等を通した人間形成の機会として捉え、地域、関係機関と学校教育が連携し、次世代を担う子ども達が、伝統文化及び伝統工芸品に触れることのできる環境整備に取り組むことで、首里城の復興を通した琉球の歴史、文化を学ぶことのできる機会提供につなげる。

施策の方向性

(1)多様で魅力ある観光資源の活用

  1. 歴史や伝統産業等の観光資源化
     首里地域に点在する歴史・文化遺産である石畳道・屋敷石垣、御嶽・井泉や地域に根ざした伝統産業等を生かした観光商品の開発に取り組む民間事業者や観光協会に対し、体験メニューなど観光コンテンツ等の開発を支援する。また、国と連携して首里城公園と一体となった周遊ルートの提案等をしていく。

(2)平和を希求する「沖縄のこころ」の発信

  1. 歴史的価値を継承するための環境整備
     首里城及び首里城周辺等に存在する戦争遺跡について、適切に保存、継承するため文化財指定に向けた取組を進める。首里城公園地下にある第32軍司令部壕については、新たに設置した専門家による委員会において保存・公開の可能性等を検討し、併せて、証言記録、調査資料等の公開・発信や平和学習ツールの開発等にあたり、最新デジタル技術を含めた多様な媒体の活用など、その歴史的価値の継承及び平和発信に取り組む。

(3)次世代を担う子どもたちへの継承

  1. 歴史・文化を観て、学ぶことができる環境の整備
     首里城復元の機会を教育資源等として捉え、学校教育において、琉球の歴史や首里城の復元過程についての学習、首里城で誕生した組踊の鑑賞、文化財や伝統工芸品に触れる等の機会の設定を促進し、次世代を担う子どもたちへ、琉球の歴史・文化を継承する。

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