首里城復興基本計画(令和3年3月策定)

ページ番号1012877  更新日 2024年1月11日

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参考

策定の趣旨

「首里城復興基本計画」は、基本方針で示した主な施策について、具体的に取り組む際の方向性等を体系的に定め、首里城復興を計画的に推進することを目的としている。

また、県民はじめ多くの人びと、企業・団体等及び行政・大学・関係機関等が、復興基本計画を共有することで、20年、50年先などの未来を見据え、連携・協働して、首里城に象徴される沖縄の歴史・文化の価値を確実に次世代へ継承し、それぞれの時代にふさわしい新たな文化創出など沖縄発展の礎として首里城復興に一体的かつ継続的に取り組んでいく。

計画の位置づけ

本復興基本計画は、令和4年(2022年)度を始期とする新たな沖縄振興計画の実施計画において、首里城復元はもとより、首里城に象徴される歴史・文化の観点から沖縄振興を目指す施策のマスタープランとなるものである。

首里城復興が目指す将来像

首里城に象徴され、古より体験・継承している歴史・文化を基層として、ふるさとへの誇りや愛着を感じられる社会が形成されるとともに、その時代に生きる私たちがそれぞれの挑戦を通して多様で重層的な沖縄振興が果たされている。

そして、これらが積み重なって沖縄の新たな歴史・文化が創造され、これらが基層に加わることで、さらに発展していく社会を目指す。

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基本施策1:正殿等の早期復元と復元過程の公開

基本施策の目的

首里城は、県民等の心の拠り所であるとともに、年間280万人を超える観光客等が訪れる観光拠点でもあることから、国等と連携して伝統技術等を活用した正殿の早期復元とともに、歴史・文化・観光拠点としての復興の取組や、復興への継続的な関心につなげていく。

目指す姿

  1. 国が進める首里城正殿等の復元に向けた工程に対応して、県内に蓄積・承継されている技術が活用され、将来の修復に必要な技術者の育成にもつながっている。
  2. 木材や赤瓦製作の原材料など、県内資源を活用した首里城復元が取り組まれることで首里城と県民社会の結びつきが強まり、首里城をより身近に感じることにつながっている。
  3. 首里城の復元の段階的公開・関連イベントが実施され、歴史・文化を知る新たな魅力となっており、県民はじめ多くの観光客等が訪れる場になっている。

主な課題

  1. 正殿等復元・修復に必要な伝統技術を有する県内若手技術者の育成
  2. 今回の復元における県産材の活用に向けた調査及び将来の修復等に備えた植樹、育樹
  3. 県内技術者による赤瓦の製作に向けた調査、研究、情報共有等
  4. 復元過程の段階的公開に向けた関係機関との戦略的・一体的な取組
  5. 新型コロナウイルス感染症対策及びこれを踏まえた積極的な誘客

達成への道筋

  1. 国及び首里城復元に関係する技術者・機関等との連携を深め、より充実した体制を整えて復元事業を継続していくことで、伝統技術を有する人材の確保及び育成を図り、長期にわたる首里城復元とその後の修復等を支えていく。
  2. 国や関係団体等の協力を得ながら必要とされる県産材の調査・研究を進め、首里城の象徴的な箇所の復元に県産材等の利活用を目指すとともに、将来の修復等に備えて、県営林及び市町村有林等でイヌマキやオキナワウラジロガシ等の植栽及び適正管理に引き続き取り組む。
  3. 破損瓦を今回の復元に活用するための研究を進め、復元の歴史の継続性を図る取組を進める。
  4. 一方、国等と連携して城郭内の早期公開及び全体の復元進捗に合わせた、いわゆる「観て学び楽しめる復興」に取り組み、首里城の歴史・文化及び観光拠点としての早期復興、魅力向上及び復興への継続的な関心につなげていく。
  5. 「ウイズコロナ」の観点から、首里城公園内の新型コロナウイルス感染症対策を適確に実施し、県内観光施設の模範となるよう国と連携して取り組む。

施策の方向性

(1)伝統技術を活用した施設整備

首里城の復元・修復を支える人づくり

首里城の復元に携わることで伝統技術のさらなる蓄積や継承の機会を提供し、また、相当の期間にわたって携わり、技能の習熟度を高めることで、活躍の場を広げて将来につなげていくため、国と連携して職人の確保を含めた復元、修復を支える人づくりに取り組む。

(2)木材、瓦等の調達に向けた取組

県産木材の調達

前回復元においても、正殿の正面にある向拝柱や小屋組など象徴的で重要な箇所には県在来種であるチャーギ(イヌマキ)やオキナワウラジロガシが使用された。今回の復元においても可能な限り県産木材が使用されるよう、森林組合等の協力のもと、国が実施する木材の調査、正殿等の復元に活用できる木材の確保等に連携して取り組む。なお、県産木材の使用にあたっては、木材資源の保続に支障がないよう、また、将来の修復等に備え、市町村等の関係機関とも連携し、県営林及び市町村有林でイヌマキやオキナワウラジロガシ等の植栽及び適正管理に引き続き取り組む。

首里城赤瓦に関する調査研究

首里城復元に用いる赤瓦は正殿だけでも約5.5万枚となっており、原料となるクチャや赤土は相当量必要であることから、公共事業の建設発生土や適していると考えられる民有地等について、国と連携して調査・確認を加速していく。また、県工業技術センターにおいて、赤瓦を焼成した際の赤色の色味や適正な吸水率となるような配合や焼成方法の検討、試験体の評価を行い、令和4年度以降の首里城赤瓦の製作及び国が実施する復元工事につなげる。なお、国と連携して、被災した正殿の瓦をシャモット(焼粉)にして、再利用するための研究にも取り組む。

県民をはじめ国内外から寄せられた思いを形にする取組

首里城の早期復元に向け、国との連携の下、復元工程に合わせて、首里城正殿の木材や赤瓦の調達、大龍柱等の石彫刻、唐破風妻飾等の木彫刻、龍頭棟飾等の焼物など屋外彫刻の復元、扁額などの室内装飾の復元その他関連事業について、沖縄県首里城復興基金の活用に関する方針に基づき、県民をはじめ県内外の多くの方々から寄せられた寄附金を活用して取り組む。

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基本施策2:火災の原因究明及び防火設備・施設管理体制の強化

基本施策の目的

首里城正殿等を含む首里城公園内施設について、二度と火災による焼失を生じさせない。

目指す姿

首里城公園の特性や想定される様々な出火要因等を踏まえ、国及び那覇市消防局等と緊密に連携した首里城公園内における火災の早期発見と迅速な初期消火を可能とする体制・設備が再構築されている。

主な課題

  1. 首里城公園の建築物固有の特性、立地と敷地特性等に応じた防火設備・管理体制の再構築
  2. 首里城公園内施設の設置・管理主体及び那覇市消防局等関係者間における連携体制の再構築

達成への道筋

  1. 県の「首里城火災に係る再発防止検討委員会」の検討結果を国の「首里城復元に向けた技術検討委員会」に報告する等、国と緊密に連携して首里城公園内の防火設備等の検討・強化に取り組む。
  2. 国営公園区域(首里城城郭内)と県営公園区域を一体と捉え、「首里城火災に係る再発防止策」を策定し、国及び那覇市消防局等と連携して適切な管理体制の構築を図り、安全性の高い施設の管理運営を行う。

施策の方向性

(1)再発防止に向けた防火設備等の強化

想定される様々な出火要員を踏まえた新たな防火対策などの実施

首里城火災について、沖縄県警察及び那覇市消防局は、首里城正殿の損傷が激しく、いずれも出火原因の特定はできなかったが、県では、首里城公園で想定される様々な出火要因を踏まえた新たな防火対策等を実施していく。

首里城公園全体の防火対策の強化

国が実施する首里城正殿等の防火対策と連携した県営公園区域内での対策、国営・県営公園区域の防災センター機能の再編等について、国と緊密に連携して取り組み、首里城公園全体の防火対策の強化に努める。

(2)安全性の高い施設管理体制の構築

首里城火災にかかる再発防止策の策定

首里城公園の建築物固有の特性、立地と敷地特性等を踏まえ、ハード(建築物・設備)とソフト(管理・運営)が密に連動した総合的な対策を講じた管理体制を構築していく。そのため、「首里城火災に係る再発防止検討委員会」の検討結果を踏まえ、首里城火災に係る再発防止策を策定する。

国等と連携した施設管理体制の構築

国等と連携して首里城火災に係る再発防止策を具体化する管理計画などの検討を進め、首里城公園区域を一貸与する管理体制の構築を図っていく。なお、管理体制の構築にあたっては、管理・運用する人材の確保や教育・訓練等指定管理者等の役割等も考慮した上で、適切な体制が継続できる仕組みを構築していく。

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基本施策3:首里城公園のさらなる魅力の向上

基本施策の目的

新・首里杜構想を踏まえ、国営及び県営首里城公園の文化遺産等を一体的に整備し、展示や案内等の機能強化や、行催事等の幅を広げることで、県民を含む多くの観光客等が歴史や文化を感じ・体感できる場となるよう首里城公園全体の魅力向上を図る。

目指す姿

  1. 首里城公園内の歴史的空間の保存、整備とともに、文化財等の展示・収蔵機能、案内や解説、休憩等の利用者の利便性が向上し、歴史や文化を体感できる場となっている。
  2. 首里城に象徴される歴史・文化の発信や観光の拠点として、鑑賞、体験、交流など多様な行催事が行われ、県民や観光客等にとって首里城や沖縄文化が身近な存在となっている。

主な課題

  1. 国営・県営公園の一体的な利用に向けた検討
  2. 県営公園区域内の文化遺産等の計画的整備と活用
  3. 県営公園区域内における美術工芸品等の展示・収蔵施設の整備と活用
  4. 首里城に象徴される歴史・文化の発信や体験、交流の拠点としての機能発揮

達成への道筋

  1. 国等と連携し、首里城の魅力を体感できるよう、国営・県営の一体的な利用に向けた検討を行い、施設整備や利用動線、案内機能の向上、国の首里城復元の施設計画を踏まえた文化財等の展示等に取り組む。
  2. 県営公園区域の中城御殿等、松崎馬場、円覚寺跡や龍潭周辺などを計画的に整備し、歴史的空間を体験できる場を創出する。
  3. さらに、国、那覇市及び関係団体等との連携を充実・強化し、公園内で歴史や文化を体験できる行催事等を推進し、首里城公園の魅力の向上を図る。

施策の方向性

(1)国営・県営区域の一体的利用

首里城公園全体の魅力向上

正殿等の復元整備にあわせて、県、国、指定管理者の連携のもと、首里城公園全体の一体的な利用に向けた検討を行い、施設整備や利用動線、展示や案内機能の向上など首里城の魅力を体感できるように取り組む。

中城御殿跡の整備と展示・収蔵等機能の拡充

首里城に関連する文化財等を展示・収蔵等する機能も含め、県営公園区域にある中城御殿跡の復元を検討・実施することで、歴史的空間を体験できる場を創出する。

県営公園区域内の文化遺産等の整備

松崎馬場、円覚寺跡や龍潭周辺等を計画的に整備し、国営公園と一体となった首里城公園の魅力向上を図り、県民をはじめ観光客等の満足度や回遊性を高め、ひいては周辺地域の周遊につなげていく。

(2)多様で柔軟な施設の利活用

首里城公園における多様な行催事等の推進

首里城の歴史や神聖な空間に配慮しつつ、首里城が琉球・沖縄文化の発信や交流の拠点となるよう、国、指定管理者や関係団体等と連携して、公園内のエリア別の行催事・機能のあり方について検討するとともに、行催事や体験、教育活動等の計画的実施を推進する。

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基本施策4:文化財等の保全、復元、収集

基本施策の目的

周辺文化財を含めた首里城跡の発掘調査等学術的な研究成果等の整理を行い、研究者のみならず一般にも分かりやすく工夫を凝らして公開し、情報発信をすることでその歴史的価値を周知する。
焼失又は被災した貴重な文化財等の計画的な復元・修復を支援するとともに、国内外に所在する文化財等の調査・収集を行い、次世代へ継承できる環境を整備する。

目指す姿

  1. 首里城跡や首里城周辺の文化財の歴史的価値が評価されるとともに、保全に必要な措置が適切に実施されている。
  2. 今般の火災で焼失・被災した文化財等美術工芸品の修復及び復元が計画的に取り組まれるとともに、県内を拠点として文化財等の保存・修復が推進されている。
  3. 文化財等美術工芸品の研究体制が充実・強化されるとともに、国内外に現存する美術工芸品等の展覧会等が沖縄や各地で活発に実施され、先人の遺した伝統的な技術又は技法を県内の職人が直接学ぶ機会につなげ、必要な修復等も沖縄で実施されている。さらに、これらの美術工芸品等やそれにかかる情報収集が積極的に取り組まれ、伝統的な技術又は技法が継承されている。

主な課題

  1. 首里城周辺の文化財の情報整理
  2. 焼失した文化財等の現状把握
  3. 正殿等の復元に合わせた文化財等の復元、修理
  4. 文化財等の保存・修復拠点化に向けた環境整備
  5. 所在する文化財等調査の一元的体制の確立、情報整理、研究及び公開

達成への道筋

  1. 首里城及び周辺の埋蔵文化財に関する調査研究成果を体系的に整理し、一体的に評価するとともに、一般にもわかりやすいよう説明に工夫を凝らし、積極的に周知していくことで、首里城に象徴される歴史・文化等を次世代に継承していく環境を整備する。
  2. 焼失・被災した文化財等の現状把握、修復等に関する課題を関係者間で共有し、正殿等の復元に向けた工程表を踏まえつつ、文化財等の計画的な修復・復元に向けて必要な指導・助言を行うとともに、県内において文化財等の保存修復が可能となる環境の整備に取り組む。
  3. 在外沖縄関連文化財等調査成果や引き続き行う所在調査結果を活用し、技術の次世代への継承につなげていく。
  4. 県立芸術大学等と連携して取り組むことで、学術的知見の充実及び必要な人材の育成等につなげていく。

施策の方向性

(1)首里城跡の適正な保全と価値の周知

正殿遺構の適切な保護及び公開

世界遺産である首里城正殿遺構については、国営沖縄記念公園事務所と連携して、損傷の状態を的確に把握し、文化庁と連携しながらその保護対策や公開についての指導、助言を行う。

周辺文化財の情報発信

首里城及び周辺の文化財について、これまでの発掘調査の成果を公開するとともに、現地説明会や出土品の企画展示、講演会等を開催する。また、公開にあたっては多言語化を含めAR・VR等最新デジタル技術を活用し分かりやすさに工夫を凝らすとともに、世界に向けて情報発信等に取り組む。

(2)文化財等の復元、修復及び収集

被災した文化財等の修復、復元に対する支援

一般財団法人沖縄美ら島財団が実施する被災した文化財等の計画的な修復等に向け、文化庁や専門機関との連携のもと助言・協力を行う。また、被災文化財等の保存・修復環境確保、所蔵する資料の熟覧など、必要な協力に取り組む。
また、国内外に所在する沖縄関連文化財等の修復環境の将来的な整備を見据えた庁内体制、関係機関及び団体等との協力体制の構築に向けた条件を整備していく。

琉球王国時代の文化財等の調査研究、資料収集

国内外に所在する琉球王国時代の文化財等について、これまでの調査結果に加え、引き続き所在調査を進め、その情報を整理・研究し最新デジタル技術を活用して広く公開していく。また、これら文化財等の研究報告会、展覧会等の実施や県内において修復等を行うなど、貴重な文化遺産を守り、次世代に継承する取り組みを進める。

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基本施策5:伝統技術の活用と継承

基本施策の目的

琉球王国時代から脈々と受け継がれる建築や美術工芸に関する伝統技術を復元のみならず、修復にも活用していくことで、伝統技術を復元のみならず、修復にも活用していくことで、技術の継承および人材を育成する。

目指す姿

  1. 首里城正殿等の華美なたたずまいが悠久に受け継がれるとともに、美術工芸における伝統技術の継承、琉球文化の価値が次世代に伝達されている。
  2. 模造復元製作における技術が蓄積・継承され、県内外にある琉球王国時代の文化財等が適切に保全され、琉球文化の価値が継承されている。

主な課題

  1. 模造復元に係る調査研究の継続実施及び復元過程の公開
  2. 保存・修復技術習得に向けた県立芸術大学との連携・協働
  3. 各工芸技術分野における技術者の高齢化への対応および伝承者養成への環境整備

達成への道筋

  1. 首里城正殿等は、その建物自体が巨大な美術工芸品とも言われており、将来にわたる維持管理、修復を実現するため、国の復元工事等と連携して、漆芸や木工等の技術者の継続的な確保、育成を図る。
  2. 美術工芸品の模造復元の機会に若い世代を積極的に取り込むことや、国又は県の無形文化財に指定されている工芸技術を持つ各保存会等の伝承者要請を支援することで、技術の継承や経済的な安定につなげていく。
  3. 県立芸術大学と連携・協働して保存修復技術につながる基礎技能の習得等を支援することで人材の育成・確保を図り、琉球文化の価値を次世代に伝達する基本的条件を整備する。

施策の方向性

(1)伝統的な建築技術の活用と継承

技術者の育成と活用

今回の首里城復元工事を通して、県内の漆芸や木工等における技術者が活用されるよう国と連携し取り組むとともに、復元後の維持管理・修繕にも活用されるよう技術者の育成、確保に取り組む。

(2)美術工芸における伝統技術の継承

模造復元を通したネットワークの構築

専門機関とのネットワークの構築に取り組み、模造復元の取組を継続・計画的に実施することで、技術者の育成及び材料や道具類の確保を促進する。

最新デジタル技術等を活用した技術伝承と文化の継承

琉球王国時代から相伝する手わざ(絵画、木彫、石彫、染織、漆芸、陶芸、金工、三線等)について、模造復元に係る作業はもとより、調査研究成果のデータ化を推進し、最新デジタル技術等を活用した情報発信、例えば、模造復元過程の仮想体験ができる仕組み構築等に取り組むことで、技術者の育成及び手わざへの理解と関心を高めていく。

文化財等保存修復技術の習得に関する体制の整備

県立芸術大学において、学部段階から文化財等の保存修復分野の学位取得にも繋がるような授業科目を開設し、大学院の漆芸分野で保存修復技術の演習授業を行うなど、教育内容の段階的な充実を図る。

工芸技術等の伝承者養成に向けた体制の整備

国または県の無形文化財に指定されている工芸技術の継承を図るため、各保存会等が実施する伝承者養成事業等を支援すると同時に、保持者の追加認定を適宜行い、技術の継承が適正に行われるよう取り組む。また、効果的な伝承者育成をおこなうため、会をマネジメントする人材の育成等の支援に取り組む。

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基本施策6:「新・首里杜構想」による歴史まちづくりの推進

基本施策の目的

首里城を中心とした首里杜地区において、古都首里のたたずまいを形成し、歴史や琉球文化を体現できる都市空間の創出を図る。

目指す姿

首里城公園内の歴史・文化資源の整備が進むとともに、周辺地域に点在する文化資源と相まって、歴史を体現できる風格ある都市空間が創出され、住民・来訪者が散策して王朝時代の歴史・文化を体現できる環境が整っている。

主な課題

  1. 住民及び団体・企業等の参画を促進する環境の整備
  2. 歴史・文化資源の計画的な保全・整備・活用に向けた連携体制の構築・充実
  3. 公園内回遊及び住民生活と調和のとれた地域周遊への誘導
  4. 住環境への影響を最小限にしつつ地域の活力を増進する観光資源としての利活用
  5. 首里城周辺地域の交通問題の改善

達成への道筋

  1. 昭和59(1984)年、沖縄県が「首里城公園基本計画」において首里城を中心とした首里のまちなみ保全を示した「首里杜構想」を見直す。
  2. 那覇市による歴史まちづくりの推進とあわせ、整備基本計画に基づく県営公園区域内の中城御殿跡や円覚寺跡の復元等を進め、公園内における歴史を体現できる都市空間を創出していく。
  3. 那覇市における首里杜地区等の景観まちづくりの取組を支援するとともに、県・市・住民及び団体・企業等の関係者が連携・協力し、交通問題の改善を含めた住環境の向上を図りつつ、首里城周辺を周遊しながら歴史・文化を体現できる環境を整備していく。

新・首里杜構想

策定の意義

首里杜構想は、地形や水系など古都京都の歴史的発展を特徴づけた風土環境を基盤に、首里城を中核とする文化資源、それをとりまく首里杜地区として位置づけられた首里のまちづくりの方向性を示したものであり、これに基づき35年以上にわたり取組が実施されてきた。
このような中、令和2年10月31日未明に発生した火災により、首里杜構想の中核である首里城正殿等が消失した。一方で、この焼失は、首里城から派生し、それぞれに受け継がれている私たち沖縄の文化を改めて意識する契機ともなった。
この機を捉え、首里杜構想で残された課題および社会状況や二ーズの変化に対応するため、新・首里杜構想を策定し、新たに50年、100年後に伝承していく歴史、文化的な首里杜地区の形成に取り組んでいく。

理念

首里城正殿をはじめとする首里城公園全体及び城下町として発展した首里杜地区を改めて一体的なものとしてとらえ、歴史、文化的遺産の復元整備とともに歴史的風土環境の保全など、県民が首里杜地区を沖縄の歴史、文化を体現する空間として共有し、これを後世に残していく。

方針

  • 中核をなす首里城及び外苑の一群の文化資源を保存・整備するとともに、文化を育む拠点の充実を図る。
  • 古都首里の歴史的なたたずまいに配慮した景観形成とともに、住みやすく魅力的なまちづくりを進める。
  • 総合的な交通対策により、暮らしと観光が両立した歩行者中心のまちづくりを進める。
  • 地形、地質、水系、植生等を基盤に形成された歴史的風土の環境を保全する。
  • 行政機関及び地域住民、教育機関、関係団体等が連携して推進体制を構築し、整備基本計画の策定、実施に取り組む。

施策の方向性

(1)歴史を体現できる風格ある都市空間の創出

「新・首里杜構想」及び「首里杜地区整備基本計画」の策定

前回、平成の首里城復元にあたり、首里城を中心とする首里杜地区のまちづくりの基本的な考えを示した首里杜構想について、首里城の復元にとどまらない今般の首里城復興の理念を踏まえ、まちづくりの新たな理念・方針を示す「新・首里杜構想」を策定する。
また、構想に基づき、新・首里杜構想の実現に必要な施策体系を明らかにする整備基本計画を策定する。整備基本計画は、「歴史的まちづくり(歴史を体現できる風格ある都市空間の創出)」「歴史文化資源の整備(首里城公園及び周辺地域の段階的整備)」、「交通環境の整備」を柱として設定し、那覇市等との役割分担を踏まえ、具体的な事業手法の検討を行う。

推進体制の構築・充実・強化

歴史を体現できる風格ある都市空間の創出に向けては、長期かつ多岐にわたる課題を有することから、県、国、那覇市、有識者、大学等高等教育機関、関係団体や事業者、住民など多様な主体が必要に応じて参画、協働できる体制を検討・構築、情報を共有することにより課題の解決に継続して取り組むことで、自立的に協働できる地域社会を形成し、計画的な推進につなげていく。

歴史や文化を感じる景観まちづくりの推進

歴史・文化、まちなみや人びとの活動(生活風景)の特性・要素及びこれまでの取組を踏まえた風景づくりに係る人材育成や景観アセスメントの実施、赤瓦・石積などの景観素材に関する技術開発、緑化の促進、税制優遇制度の創設等に取り組み、那覇市による景観まちづくりを総合的に支援する。

(2)首里城公園及び周辺地域の段階的整備

中城御殿跡や円覚寺等の歴史文化遺産の整備

首里城公園において琉球・沖縄の豊かな歴史文化を多面的に伝えるために、県営公園区域にある中城御殿跡、円覚寺跡や松崎馬場等の重要な歴史文化遺産を計画的に整備し、公園内の回遊性を高めることで、国営公園と一体となった歴史的空間を体験できる場を創出する。

御茶屋御殿等の地域に点在する文化資源の段階的整備に向けた連携

御茶屋御殿等の段階的な整備については、事業主体や保存に係る調査等の課題解決に向け、那覇市、国と連携して取り組み、実現可能な方策や観光資源等としての利活用の検討を進める。

(3)交通環境の整備

目標水準の設定

首里地域における通過交通、観光交通、地域住民の交通による局所的に起こる渋滞等について、那覇市、住民、観光・交通事業者等と連携し、交通に関する定量的なデータの収集・分析、めざすべき交通環境の目標水準を定め、課題解決に向けた対策を検討する。

首里城公園の運営改善

首里城公園において、首里杜館駐車場の運用改善や交通事業者との連携により首里城公園への観光交通のピークの分散化を図る。

首里城公園周辺での取組

大型観光バス等の駐機場の確保、コミュニティバス等の導入、パークアンドライドの推進等に取り組む。また、通過交通を抑制するハシゴ道路のネットワークを形成する幹線道路である那覇インターアクセス道路の早期事業化を図る。

安全で快適な歩行空間の整備

首里城に来園する観光客等や地域住民の安全で快適な歩行空間の確保を図るため、無電柱化の推進、龍潭線の整備、歩行者中心の道路空間の創出、スージグワーの整備、域内公共交通網の充実やICTを活用した情報提供等について、那覇市、住民、交通事業者等との連携体制を構築して取り組む。

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基本施策7:歴史の継承と資産としての活用

基本施策の目的

首里城およびその周辺地域を観て学ぶことができる観光資源として活用していくなど、首里城に象徴される歴史・文化の継承に向けた取り組みを推進していく。

目指す姿

  1. まちなみを含めた首里地域に点在する歴史・文化的遺産、これらを背景とした伝統作業など、地域の潜在的な魅力が資産として認識され、各主体がそれぞれの強みを生かしつつ相互に連携して歴史・文化を体現できる取組が活発に実施されている。
  2. 首里城周辺に存在する戦争遺跡が適切に保存されるとともに、第32軍司令部壕を活用した平和学習環境等が整備され、悲惨な沖縄戦の実相が正しく後世や世界に伝わり、「沖縄」をより深く知ってもらえている。
  3. 首里城の復興を通して、沖縄の歴史・文化を感じることができる取組が活発に実施され、ふるさとへの誇りや愛着が育まれ、文化の継承につながっている。

主な課題

  1. 地域に根ざした伝統産業など、地域の潜在的な魅力の観光資源としての活用
  2. 首里城公園地下にある第32軍司令部壕を活用した沖縄戦の実相の継承・発信
  3. 子どもたちが首里城復興を通した歴史・文化に触れる環境づくりの支援

達成への道筋

  1. 首里地域に点在する文化財や地域に根ざした伝統産業を含む潜在的な魅力を観光資源化するため、関係機関と連携し周遊ルートの設定・開発を支援する。
  2. 首里城周辺に存在する戦争遺跡の保存に努める。また、第32軍司令部壕の保存・公開の可能性等について、専門家による検討委員会において検討を行い、沖縄戦の実相を正しく後世に継承し、情報発信を行っていくための環境整備に取り組む。
  3. 首里城の復元事業を文化財保護の啓発や歴史・文化の学習等を通した人間形成の機会として捉え、地域、関係機関と学校教育が連携し、次世代を担う子ども達が、伝統文化及び伝統工芸品に触れることのできる環境整備に取り組むことで、首里城の復興を通した琉球の歴史、文化を学ぶことのできる機会提供につなげる。

施策の方向性

(1)多様で魅力ある観光資源の活用

歴史や伝統産業等の観光資源化

首里地域に点在する歴史・文化遺産である石畳道・屋敷石垣、御嶽・井泉や地域に根ざした伝統産業等を生かした観光商品の開発に取り組む民間事業者や観光協会に対し、体験メニューなど観光コンテンツ等の開発を支援する。また、国と連携して首里城公園と一体となった周遊ルートの提案等をしていく。

(2)平和を希求する「沖縄のこころ」の発信

歴史的価値を継承するための環境整備

首里城及び首里城周辺等に存在する戦争遺跡について、適切に保存、継承するため文化財指定に向けた取組を進める。首里城公園地下にある第32軍司令部壕については、新たに設置した専門家による委員会において保存・公開の可能性等を検討し、併せて、証言記録、調査資料等の公開・発信や平和学習ツールの開発等にあたり、最新デジタル技術を含めた多様な媒体の活用など、その歴史的価値の継承及び平和発信に取り組む。

(3)次世代を担う子どもたちへの継承

歴史・文化を観て、学ぶことができる環境の整備

首里城復元の機会を教育資源等として捉え、学校教育において、琉球の歴史や首里城の復元過程についての学習、首里城で誕生した組踊の鑑賞、文化財や伝統工芸品に触れる等の機会の設定を促進し、次世代を担う子どもたちへ、琉球の歴史・文化を継承する。

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基本施策8:琉球文化のルネサンス

基本施策の目的

首里城の焼失によって改めてその価値が再認識された沖縄独自の文化について、自信と誇りを持ち、その価値を将来に向けて高め、世界に発信していく。

目指す姿

  1. 多様性・独自性のある県内各地の地域文化とその基層であるしまくとぅば等の価値が再認識されることで普及・啓発され、県民や世界のウチナーンチュが琉球文化を身近に感じ、誇りを持つことで、その継承に向け主体的な活動が行われている
  2. 首里城及びその周辺が県民等の感動体験の機会を創出する拠点となり、多くの県民等が首里城を身近に感じている。
  3. 沖縄が誇る伝統芸能や伝統工芸等の普遍的価値が再認識されることで、さらなる発展につながっている。
  4. 沖縄の多様な文化が世界へ発信され、認知度が高まっている。
  5. 伝統文化に携わる人々が連携を深め、また異分野の人々との交流を通して新たな文化の創造、伝統技術を活かした商品開発や販路拡大等が行われ、伝統の技が現代のライフスタイルに広く活用されている。

主な課題

  1. 価値観の多様化等を踏まえたしまくとぅば等伝統文化に対する関心の喚起
  2. 伝統芸能、伝統工芸に触れる機会の創出
  3. 琉球文化における普遍的価値の再発見及び復興
  4. 伝統文化に携わる人材間のネットワークの構築及び人づくり
  5. 多様な市場ニーズに対応した伝統工芸品の開発

達成への道筋

  1. 関係文化団体等と連携、協力し、文化を身近に感じ、理解を深め、ふるさとへの誇りや愛着を高める定期的な行祭事の開催等を促進するとともに、琉球文化を見つめ直す日を定める。
  2. 関係文化団体等と連携、協力し、伝統芸能の鑑賞など、琉球文化を体感できる機会を首里城及びその周辺エリアにおいて創出し、これを契機に国立劇場おきなわの鑑賞機会につなげる仕組みを整備する。
  3. 首里城で演じられる舞台においては、本物志向の衣装、小道具を用いて取り組み、工芸品についても関心が高まる機会を提供することで、伝統文化を体感し、関心を高め誇りを喚起する仕組みを作っていく。
  4. 「琉球料理」及び「泡盛」、「芸能」や「工芸」等多様な琉球文化を総合的に体感できる機会の提供に加え、最新デジタル技術を活用してこれら琉球文化の魅力を発信していく。
  5. 令和3年度末供用開始予定の「おきなわ工芸の杜」等を中心に工芸技術者の育成や原材料確保を図るとともに、消費者の感性に働きかける魅力ある商品開発や、販路開拓等を支援することで、伝統工芸産業の発展を図る。
  6. 異分野との交流を通して新たな文化創出へつながる環境を整備する。

施策の方向性

(1)多様性・独自性を持つ琉球文化の再認識

伝統芸能や伝統工芸等に触れる機会の提供

首里城及びその周辺エリアにおいて、組踊や県内各地の伝統芸能の鑑賞、首里王府時代に士族の嗜みとして発達した空手の関連顕彰碑やゆかりの地巡り、道場案内など、琉球文化を体感できる機会の創出に取り組む。
また、最新デジタル技術等を活用し分かりやすく工夫を凝らした組踊、首里城復元の際に行われる地域の伝統芸能など地域文化の公演、座談会やワークショップ等を開催し、伝統芸能の普及・継承に取り組む。
「おきなわ工芸の杜」において、各産地と連携した特色ある工芸品に触れる機会を提供するとともに、各地において工芸フェア等のイベントや展示会等の開催にも取り組む。また、最新デジタル技術等を活用して、多様な世代に伝統工芸品の特色や魅力を感じてもらえるよう取り組み、伝統工芸への興味を喚起していく。
さらに、先人達が創り上げてきた沖縄の歴史、文化とその基層であるしまくとぅばへの理解を深め、ふるさとへの愛着や誇りを感じられる地域社会の形成を促進するとともに、琉球文化を見つめ直す日を定める。

(2)琉球文化の復興と新たな文化の創出

琉球文化の普遍的価値の具現化

首里城で演じられる舞台が、関係団体等と連携し本物志向の衣装、小道具を用いることで、沖縄の伝統文化の粋を集めた質の高い総合芸術となるよう取り組み、継承されている伝統芸能及び伝統工芸に深みを増し、新たな文化が育ち次世代につなげていく。

新たな文化創出機会の提供

県民の感性豊かな生活文化創造につなげるため、伝統的な技法や素材を活用した、現代の生活様式に対応する工芸品制作に関する応募展の実施や、芸術性やエンターテイメント性の高い新たな琉球芸能の創作機会を創出するなど、新たな文化を創出する環境整備に取り組む。
また、先人たちが創り上げてきた沖縄の歴史と文化への理解を深めるとともに、新たな歴史と文化を創造する機会を創出する。

(3)国内外へ向けた琉球文化の発信

琉球文化を体感する機会の提供

国内外へ広く琉球文化を体感できる機会を提供するため、伝統芸能の県外公演・海外公演に対する支援等や琉球の美術工芸品等を保有する国内外の美術館等での公開に取り組む。この取組にあたっては、琉球王国時代から連綿と続く沖縄の伝統的な「琉球料理」、「泡盛」、「芸能」や「工芸」等を一体として捉え、文化をストーリーとして体感できるよう工夫するなど、多様な琉球文化への関心と理解を増進するとともに、沖縄への認知度も高めていくことに努める。

最新デジタル技術等による発信

伝統芸能、伝統工芸等に関するストーリーについて、最新技術を活用したユーザー指向の高いデジタルコンテンツを制作し、「Google Arts & Culture」やデジタルミュージアム等により発信するとともに、世界のウチナーネットワーク等を通して広く世界へ周知していく。

(4)琉球文化を活用した産業振興

文化資源を有効活用したビジネスモデルの創出や商品開発

多様性・独自性を持つ本県の文化資源を有効活用し、文化振興と産業振興の両面から相乗効果を生み出すよう、異分野・異業種間の連携を促進する仕組みを構築し、新たなビジネスモデルの創出や新商品開発を推進する。

工芸産業拠点を活用した伝統工芸の魅力・価値の向上

「おきなわ工芸の杜」において、商品開発やマーケティング、ブランド戦略の推進等に取り組み沖縄の伝統工芸の魅力や価値を高める。また、首里城や令和4年度に首里に開設予定の琉球びんがた・那覇伝統織物(首里織)両組合の体験・発信拠点(「古琉球」関連施設)等との連携を図ることで、誘客や販売促進などの相乗効果を目指す。

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復興基本計画の着実な推進

基本施策の目的

首里城復元を契機とする首里城復興の目的は、首里城に象徴される多様で重層的な沖縄の歴史・文化の再認識を通して、ふるさとへの誇りや愛着を感じるとともに、文化を基層とした沖縄振興及び文化創造が循環する社会の形成にある。
これには、沖縄県だけでなく、国、那覇市を始めとする市町村、企業、大学等高等教育・研究機関、文化団体や県民等が、復興基本計画の方向性を共有し、それぞれが自主的に、又は連携して取り組んでいくことで、より高い成果を得ることができる。
このため、復興基本計画及び各基本施策の展開を共有し、それぞれが継続して首里城復興に参加できる仕組みを基盤として、復興基本計画を着実に推進していく。

目指す姿

  1. 国、県等の行政による首里城復興の取組だけでなく、県民、企業、地域団体など、様々な主体による自主的な取組とともに、相互に協力・連携した復興の取組が活発化し、着実に復興基本計画の目的達成に向けて進んでいる。
  2. 首里城復興の取組が、新たな沖縄振興計画に反映され、国と連携して計画的・具体的な取組が進められている。
  3. 琉球大学を中心とした国内外の学術ネットワーク及び県立芸術大学による首里城復興に関する研究、議論が活発化するとともに、その成果が地域文化の復興やまちづくり活動等と連携し、具体的な取り組みにつながっている。
  4. 木曳式など復元の各段階における重要行催事の機会を中心に、多くの人びとが関われる各種イベント等が充実、拡充、継続的に実施され、首里城正殿等建造物の復元はもとより、琉球の歴史・文化等に関する理解・関心が高まっている。

主な課題

  1. 様々な主体による自主的な取組とともに、相互に協力・連携した復興の取組を支える仕組みづくり
  2. 琉球大学、県立芸術大学をはじめとする県内外の大学等高等教育・研究機関とのネットワークを活用した首里城を切り口とした研究等ネットワークの構築
  3. 復興基本計画を着実に推進して行くための財源の確保。

着実な推進に向けた取組

(1)関係機関との推進体制の構築

国、那覇市等関係機関との連携等

復興基本計画を着実に推進していくため、国、県、那覇市等関係機関の役割を明確にした上で、各主体が相互に連携・補完しながら効率的・効果的に取組を進めていくための体制構築を図る。

(2)国内外の学術ネットワークとの連携

学際的なネットワーク化に向けた支援

琉球大学は、首里城火災直後からシンポジウムの開催、首里城関連の情 報を発信するポータルサイトや、首里城再興に係る研究・教育に資する「首里城再興学術ネットワーク」を立ち上げ、各種取組を進めているところである。
そのため、琉球大学をハブとしつつ、県立芸術大学や県内外の大学・研究機関を含めた復興基本計画に係る学際的なネットワーク化に向けた支援に取り組む。

(3)県民等の継続的な参加による復興

県民等の参加機会の確保

復興基本計画の推進にあたっては、県民、企業、地域・文化団体など、様々な主体と連携・協働して取り組むことで、広く参加機会を提供していく。

県民等相互連携の仕組みづくり

県民等をはじめ国内外において企業等民間団体による首里城復興に関する取組が積極的に進められており、その活動が連携し合い、継続した取組になっていけるよう沖縄県公式首里城復興サイトやSNS等ソーシャルメディアを活用した情報発信を行うなど、相互交流できる仕組みづくりに取り組む。

(4)効率的で効果的な復興の推進

多様な復興財源の確保

復興基本計画を国と連携し着実に推進していくため、新たな沖縄振興計画に首里城復興に関する取組を位置づける。また、多様な財源の確保も含めその他各種制度を積極的に活用し、効果的な推進に努める。
なお、現在、首里城復興を願う県民を含め国内外の多くの方々から寄附金が寄せられており、首里城正殿を含む城郭内の建造物等の復元に充てることとしている。今後は、復興基本計画に位置づけられた各種取組を推進するため、新たな寄附金のあり方等を検討していく。

計画の進捗管理

新たな沖縄振興計画の実施計画で設定する成果指標の達成状況等に基づき検証を行っていく。また、復興基本計画に係る取組、及びその進捗を定期的に確認・共有し、着実な推進を図っていく。

首里城復興基本計画の前提となった考え方、方針は次のリンクをご覧ください。

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このページに関するお問い合わせ

沖縄県 土木建築部 首里城復興課
〒900-8570 沖縄県那覇市泉崎1-2-2 行政棟10階(北側)
電話:098-943-0140 ファクス:098-862-3825
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