基本施策6:「新・首里杜構想」による歴史まちづくりの推進

  1. 基本施策6:「新・首里杜構想」による歴史まちづくりの推進

基本施策の目的

 首里城を中心とした首里杜地区において、古都首里のたたずまいを形成し、歴史や琉球文化を体現できる都市空間の創出を図る。

目指す姿

 首里城公園内の歴史・文化資源の整備が進むとともに、周辺地域に点在する文化資源と相まって、歴史を体現できる風格ある都市空間が創出され、住民・来訪者が散策して王朝時代の歴史・文化を体現できる環境が整っている。

主な課題

  1. 住民及び団体・企業等の参画を促進する環境の整備
  2. 歴史・文化資源の計画的な保全・整備・活用に向けた連携体制の構築・充実
  3. 公園内回遊及び住民生活と調和のとれた地域周遊への誘導
  4. 住環境への影響を最小限にしつつ地域の活力を増進する観光資源としての利活用
  5. 首里城周辺地域の交通問題の改善

達成への道筋

  1. 昭和59(1984)年、沖縄県が「首里城公園基本計画」において首里城を中心とした首里のまちなみ保全を示した「首里杜構想」を見直す。
  2. 那覇市による歴史まちづくりの推進とあわせ、整備基本計画に基づく県営公園区域内の中城御殿跡や円覚寺跡の復元等を進め、公園内における歴史を体現できる都市空間を創出していく。
  3. 那覇市における首里杜地区等の景観まちづくりの取組を支援するとともに、県・市・住民及び団体・企業等の関係者が連携・協力し、交通問題の改善を含めた住環境の向上を図りつつ、首里城周辺を周遊しながら歴史・文化を体現できる環境を整備していく。

新・首里杜構想

<策定の意義>
 首里杜構想は、地形や水系など古都京都の歴史的発展を特徴づけた風土環境を基盤に、首里城を中核とする文化資源、それをとりまく首里杜地区として位置づけられた首里のまちづくりの方向性を示したものであり、これに基づき35年以上にわたり取組が実施されてきた。
 このような中、令和2年10月31日未明に発生した火災により、首里杜構想の中核である首里城正殿等が消失した。一方で、この焼失は、首里城から派生し、それぞれに受け継がれている私たち沖縄の文化を改めて意識する契機ともなった。
 この機を捉え、首里杜構想で残された課題および社会状況や二ーズの変化に対応するため、新・首里杜構想を策定し、新たに50年、100年後に伝承していく歴史、文化的な首里杜地区の形成に取り組んでいく。

<理念>
 首里城正殿をはじめとする首里城公園全体及び城下町として発展した首里杜地区を改めて一体的なものとしてとらえ、歴史、文化的遺産の復元整備とともに歴史的風土環境の保全など、県民が首里杜地区を沖縄の歴史、文化を体現する空間として共有し、これを後世に残していく。

<方針>
  1. 中核をなす首里城及び外苑の一群の文化資源を保存・整備するとともに、文化を育む拠点の充実を図る。
  2. 古都首里の歴史的なたたずまいに配慮した景観形成とともに、住みやすく魅力的なまちづくりを進める。
  3. 総合的な交通対策により、暮らしと観光が両立した歩行者中心のまちづくりを進める。
  4. 地形、地質、水系、植生等を基盤に形成された歴史的風土の環境を保全する。
  5. 行政機関及び地域住民、教育機関、関係団体等が連携して推進体制を構築し、整備基本計画の策定、実施に取り組む。

施策の方向性

(1)歴史を体現できる風格ある都市空間の創出

  1. 「新・首里杜構想」及び「首里杜地区整備基本計画」の策定
     前回、平成の首里城復元にあたり、首里城を中心とする首里杜地区のまちづくりの基本的な考えを示した首里杜構想について、首里城の復元にとどまらない今般の首里城復興の理念を踏まえ、まちづくりの新たな理念・方針を示す「新・首里杜構想」を策定する。
     また、構想に基づき、新・首里杜構想の実現に必要な施策体系を明らかにする整備基本計画を策定する。整備基本計画は、「歴史的まちづくり(歴史を体現できる風格ある都市空間の創出)」「歴史文化資源の整備(首里城公園及び周辺地域の段階的整備)」、「交通環境の整備」を柱として設定し、那覇市等との役割分担を踏まえ、具体的な事業手法の検討を行う。
     
  2. 推進体制の構築・充実・強化
     歴史を体現できる風格ある都市空間の創出に向けては、長期かつ多岐にわたる課題を有することから、県、国、那覇市、有識者、大学等高等教育機関、関係団体や事業者、住民など多様な主体が必要に応じて参画、協働できる体制を検討・構築、情報を共有することにより課題の解決に継続して取り組むことで、自立的に協働できる地域社会を形成し、計画的な推進につなげていく。
     
  3. 歴史や文化を感じる景観まちづくりの推進
     歴史・文化、まちなみや人びとの活動(生活風景)の特性・要素及びこれまでの取組を踏まえた風景づくりに係る人材育成や景観アセスメントの実施、赤瓦・石積などの景観素材に関する技術開発、緑化の促進、税制優遇制度の創設等に取り組み、那覇市による景観まちづくりを総合的に支援する。

(2)首里城公園及び周辺地域の段階的整備

  1. 中城御殿跡や円覚寺等の歴史文化遺産の整備
     首里城公園において琉球・沖縄の豊かな歴史文化を多面的に伝えるために、県営公園区域にある中城御殿跡、円覚寺跡や松崎馬場等の重要な歴史文化遺産を計画的に整備し、公園内の回遊性を高めることで、国営公園と一体となった歴史的空間を体験できる場を創出する。
     
  2.  御茶屋御殿等の地域に点在する文化資源の段階的整備に向けた連携
     御茶屋御殿等の段階的な整備については、事業主体や保存に係る調査等の課題解決に向け、那覇市、国と連携して取り組み、実現可能な方策や観光資源等としての利活用の検討を進める。

(3)交通環境の整備

  1. 目標水準の設定
     首里地域における通過交通、観光交通、地域住民の交通による局所的に起こる渋滞等について、那覇市、住民、観光・交通事業者等と連携し、交通に関する定量的なデータの収集・分析、めざすべき交通環境の目標水準を定め、課題解決に向けた対策を検討する。
     
  2. 首里城公園の運営改善
     首里城公園において、首里杜館駐車場の運用改善や交通事業者との連携により首里城公園への観光交通のピークの分散化を図る。
     
  3. 首里城公園周辺での取組
     大型観光バス等の駐機場の確保、コミュニティバス等の導入、パークアンドライドの推進等に取り組む。また、通過交通を抑制するハシゴ道路のネットワークを形成する幹線道路である那覇インターアクセス道路の早期事業化を図る。
     
  4. 安全で快適な歩行空間の整備
     首里城に来園する観光客等や地域住民の安全で快適な歩行空間の確保を図るため、無電柱化の推進、龍潭線の整備、歩行者中心の道路空間の創出、スージグワーの整備、域内公共交通網の充実やICTを活用した情報提供等について、那覇市、住民、交通事業者等との連携体制を構築して取り組む。

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